津下本 顧問や副業を紹介するサービスが増えたなと感じますが、確かにそっちも出てきていますね。
山口 これは、エンジニア業界で起きていることと同じです。プログラミングの未経験者にスクールに通ってもらって、その後、エンジニアとして企業に派遣したり人材紹介するビジネスです。今後、マーケティング領域でも同じように、現場経験のない新人マーケターが増えていくでしょう。
こうした動きが起きた結果、企業側は、専門領域はプロフェッショナルへの外注で賄いながらも、すべて外注するわけにもいかないし、戦略を策定し推進するようなコア人材は、内製化する方向に向かうと予想しています。そして、企業も優秀なマーケターは奪い合いでそう多く採用できるわけではないので、社内でマーケティングを教育する能力が問われるようになるはずです。
そんなふうに考えているときに、津下本さんからコラーニングの話を聞いて、すごくいいタイミングに生まれたサービスだなと思ったんです。
津下本 ありがとうございます。まさにそうで、私自身、前職でも育成をもっとやれば良かったという後悔がありましたし、それが創業コンセプトをつくった西井(コラーニング取締役CMO)の業界のマクロ的な課題と一致したんですよね。
可能性に共感いただけ、とても嬉しいです。
山口 はい、マーケティングが不要な会社はないですし、「当社のマーケティングは完璧なので、教育は必要ありません」という会社も存在しません。経営と同じで、マーケティングには終わりがないんです。
津下本 私がよく思うのは、多くのマーケティング支援会社は、広告宣伝費の6兆円のマーケットばかりに目がいきますが、その隣にはSP(セールスプロモーション)のマーケットがあったり、マーケティングの本来的な役割はもっと広いということです。そもそも昨今のマーケティングはビジネスそのものだと考えておいた方がいいぐらいですよね。
山口 私は何らかの取引が発生するところには、すべてマーケティングが役立つと考えています。採用担当者がマーケティングを理解していたほうが、より質の高い採用の母集団形成もしやすく成果につなげやすいのと同じように、どんな仕事をしている人でも、マーケティングの基礎知識を持っていれば、成果を高めやすくなると思います。
ネスレ日本さんは、社内の総務などバックオフィスの方であっても、フロントの事業部門に何かしらの価値を提供していると考え、マーケティング視点から事業部門を受益者=顧客と捉え、常に業務の見直しをされているそうです。そういう意味では金銭の伴う取引に至らなくても、価値を提供している仕事は、すべてマーケティング視点が役に立ちます。
ビジネスパーソンの三種の神器は「英語・金融・IT」だと言われていますが、私はそこに「マーケティング」を加えたほうがいいと思っているほどです。
「Co-Learning(コラーニング)」は、スマートフォンアプリの名称として継続して使用いたします。