マーケティングの全体像を掴むのは難しい。
なぜ、デジタルマーケティングのスキルアップアプリ「コラーニング」が業績のアップにつながるのか。

2020-04-08

株式会社シンクロが2019年7月にリリースしたデジタルマーケティングのスキルアップアプリ『Co-learning(コラーニング)』。シンクロは、これまでCMO(最高マーケティング責任者)向けにマーケティングのコンサルティングを行い、企業の成長を支援してきました。

戦略面の支援はもちろんですが、「現場のマーケターのベーススキルの向上」が決め手になったケースも多くありました。コラーニングには、シンクロのコンサルティングや優良事業会社の研修プログラム構築の経験によって培った知見が惜しみなく盛り込まれています。

さらに、コラーニングはデジタルマーケティングの学習に留まらず、「社員を成長させて、組織づくりに貢献し、業績向上までトータルプロデュースするツールである。」とシンクロCPO・津下本耕太郎は語ります。本記事では、コラーニング開発の経緯から、学習から業績向上に繋げる仕組み、そしてコラーニングに込めた想いをお伝えします。

<2>デジタルマーケティングをいつでも、どこでも学べる「コラーニング」

 -まず、コラーニングについて教えてください。

コラーニングは、スマホでデジタルマーケティングが学べるアプリです。8ヶ月のコース制(※2020/3/24現在)の講義でデジタルマーケティングの全体像を掴めます。気軽に学習してもらえるようLINE・メッセンジャー型の対話形式で、クイズやアンケートも盛り込んでいるんです。

また、機能のひとつとして、ランキング機能を搭載しています。学習時間、修了チャプター数、クイズに正解すると加点される経験値をランキングにして可視化することで、競争意識が芽生えるんですよね。また、社員の得意不得意が分かりやすくなり、協力して仕事ができるようになると考えています。

−僕もコラーニングを試させていただきましたが、コラーニングはすごくラフに、マーケティングの学習ができますね。

そうなんです。
教育関連のトレンドは動画なんですが、海外サービス含めて学び倒してみたところ、なんとなく受動的になりやすいと感じたため、スマホ時代のもっともメジャーなUIであるLINE型で、自分のペースで進めていくスタイルを選びました。
ただ、必要なところでは動画も作っていきたいと思っています。

デジタルマーケ人材の需要拡大、整えられていない学習環境

−そもそもどうしてコラーニングを開発することになったのですか。

理由は大きく3つあります。まず1つは、デジタルマーケティングの市場が急発展し、学ばなきゃいけないことが増えたからです。領域が細分化されて数が増えましたし、それぞれの専門性も高まりました。

僕がデジタルマーケティングの業界に入った2007年当時、電通が発表している国内のデジタル広告費は6000億円程でした。まだ、デジタルマーケティングに対する注力も低く、大企業でも数人で担っているところが多かったです。

−そんな時代があったのですね…。

それからはご存知の通り、市場は急拡大しました。2019年になるとデジタル広告費はTVの広告費を抜いても、2兆円を突破。企業のマーケティング部は数十人規模のがざらになりました。

−実際に、現場はどう変わったのでしょうか?

まず、規模拡大に伴い、どうしても分業というか「歯車化」が進みます。マーケターとしてのファーストキャリアがSNS運用、リスティング広告運用など、個別の領域から始める人が多くなりました。つまり、ファーストキャリアで専門性が求められるケースが増えているんです。

−マーケターはまず各々の専門性を磨くべきだと。

はい。でも一方で、専門領域を身に付けていくだけでなく、成長のためには、早めにマーケティングの全体像を掴むことも重要だったりします。つまり他のメンバーの仕事を知って、理解すること。会社がより成長するためには、チームとして課題解決にチャレンジする必要があるからです。

たとえばサッカーでは、フォワードはディフェンスやボランチの役割を理解しています。ディフェンスが守ってボランチが前線へパスを繋いでくれることを分かっているから、フォワードは思いっきり攻められるんですよ。会社も同じ。全体像を掴んだ上で、専門性がかけ合わさると、組織の力が何倍にも何十倍にもなるんですよ。

−なるほど!

つぎに、このサービスを作った理由の2つ目です。僕らは、デジタルマーケティングの知識は全ビジネスマンの必須素養になると考えています。

−マーケターに限らないと。

はい。デジタルマーケティングの知識や視点は、今やどの仕事においても求められるからです。たとえば人事。仕事を探す人たちはSNSや検索エンジンによる口コミなどで情報を集めて、特定の企業に応募します。そのとき、デジタルマーケティングの知識があれば、どのような体験を通じて応募してきたかわかるので、より応募者の気持ちに寄り添った採用設計ができます。

−いろんな職種で活躍できる可能性が高まるんですね。

そうです。なにより、マーケティングの全体像を掴めば、愛されるビジネスパーソンになれると思うんですよね。相手を理解した上で仕事ができるという意味で、お客様はもちろん、一緒に働くパートナー企業や同じ会社の人にも。マーケティングの全体像を理解できていると、一番大切な顧客の気持ちに常に注目することができるんです。顧客のことをずっと思って仕事をすれば、よりよい商品や体験を世の中に届けられる。それって素直に嬉しいことじゃないですか。

−本当にそうですね…!ただ実際、マーケティングの全体像を学べる機会はなかなかなさそうですよね。

正直、デジタルマーケティングのベーススキルをしっかりつけられるような学習環境が、各社構築できていないと知ったのが、このサービスを作った3つ目の理由です。現場では、なし崩し的にOJTで育てることが多いんです。そうなるとOJTを行うトレーナーの知識やスキルによって、デジタルマーケティングの学習が偏ります。実際、HTML、SEO、SNSなど、業務に必要な特定の領域だけを学ぶことが多いように思いますね。

かといってマーケティング学習のイベントは、タイムリー性が求められる性質上、最新トレンドを学ぶようなコンテンツが多い。本にしても、多岐に渡るマーケティングの知識を学ぶには1冊では足りません。かといって学習に最適な本を選出するにはそれ相応の知識や経験が必要です。

このような状況を日々のコンサルティング業務のなかで感じていて、デジタルマーケティングの全体像を学べるコラーニングの開発が始まりました。

「個人の学習」から「チームビルディング」「企業の業績アップ」まで広がるサポート

リリース当初は個人の学習支援を目的としていたんですけれど、やがて「チームビルディングも支援できるのではないか」と思うようになりました。

−そう思ったきっかけは何だったのでしょうか?

企業様にベータ版を提供するなかで、チームビルディングの可能性を感じたことが大きかったですね。

「コラーニング」で、共通言語をつくり、結びつきの強い、成長体質の組織を作れるのはないかと確信することができました。

−おおそんな体験が。具体的に教えてください。

CRM部門と広告部門でコラーニングを利用いただいてたクライアント様にヒアリングしたときのことです。担当者の方から「マーケティングの全体像を学ぶことで社内の共通言語化ができた。隣の部門のKPIや業務の背景がわかり、会議や普段の会話で有益なディスカッションができるようになった」という声をいただけて。

これが、組織力の向上に寄与できると確信した瞬間でした。それから、チームビルディングにフォーカスして設計をしなおし、サービスの概念はさらに広がりました。

現在のコラーニングはいわゆる学習アプリではありません。デジタルマーケティングの学びを通じて社員を成長させて、組織づくりに貢献し、そして業績向上までトータルプロデュースするツールなのです。

マーケティングの本質と最新トレンドをおさえた“網羅的学習”

−では次に、コラーニングの特徴を詳しく教えてください。個人学習から業績向上へ、どのように導くのでしょうか?

「個人の成長」「組織の成長」「業績の成長」と3つの成長に分けて、それぞれにどうつながるか説明しますね。

まず「個人の成長」は、8ヶ月の講義を通してマーケティングの全体像を掴んでもらうことで実現します。

−マーケティングの学習というとひたすら知識の詰め込みをするイメージ…。

そうなんです。
実際の現場でも、リスティングとか各論とも呼べる特定分野の知識だけを深ぼって学習する企業もありますが、それだけしかしないとスキルが偏ります。たとえばデジタルマーケティングの定義、必要なマインド、デジタルマーケティング市場のシステム…。これらの知識は時代が変わっても重要であり続けますからね。

−まずは本質をおさえることが大事だと。一方で、デジタルマーケティングのトレンドってすごい早さで移り変わりますよね。

そうですね。なので、コラーニングでは、デジタルマーケティングの最新情報をアップデートし続けていて、今のトレンドや成功事例も学んでいただけます。これは、何度でも、スピーディにアップデートができるスマホアプリだからできることですね。

−本質的な知識も最新のトレンドを同時に学べるんですね!

組織の繋がりを強くして、業績アップに貢献

次に「組織の成長」についてです。チーム全体の共通言語をつくるために、学習ペースを揃えられるようコース制にしました。そして学習にソーシャル性を持たせるための2つの機能が「ランキング機能」と「アンケート機能」です。

−その2つ、詳しく教えてください。

ひとつが冒頭で述べた「ランキング機能」です。「順位を一つでもあげたい」という競争感覚がメンバーに自然と芽生えて、スマホゲーム感覚で楽しく学習を進められます。学習の継続率が高まりますし、日々のコミュニケーションにもつながればなと。データをみてると、皆さまかなり気にされてるようで、ビュー数がすごいことになっています(笑)。なので適度な緊張感を作るには非常に良い機能だなと。

もうひとつが「アンケート機能」。コラーニングでは、学習テーマにまつわる内容で、「自社の課題はなんですか」「この知識を自社の事業にどう生かしますか」といったアンケートを取ります。これがチームビルディングに重要な役割を果たすんですね。

−アンケートがどう活きるんでしょう?

アンケートの答えがをきっかけに、コミュニケーションを活性化できますね。
誰でもアンケートの結果を見られるように設計しているので、同僚の考えがみえて、それがコミュニケーションのきっかけになっていく。会議の場では、意見が言い出せない社員も
ラフにアイディアを出すことができ、これまでできなかったコミュニケーションが取れるようになると思うんですよね。

−もうeラーニングの枠を超えてますね。

またコラーニングでは、学習の成果を人事評価に取り入れられるよう、デジタルマーケティングの評価スキルを50項目に分類しています。SEO、リスティング、SNS、販促、ディレクション…。チャプターの進捗率やクイズの正答率によってそれらのスキルの習熟度が数値化されるのです。

−それらの数値は具体的にどう活かせるのでしょうか?

一番わかりやすい例として、すでに何社かは人事評価のスキル面の評価に、コラーニングの数値を組み込んでいます。
その他、スキルの数値によって、各社員の得意・苦手分野が可視化されますから、進捗管理や組織内への人材配置やジョブローテ検討のためのデータにも使われています。
利用メンバーの数値の平均を確認すれば、組織全体における強みや課題も浮き彫りになりますし、組織運営において有用なデータになります。

−スキルを数値化することで組織のあらゆる課題解決にアプローチできるんですね。

「コラーニング会議」が業績の成長を導く

最後に「業績の成長」について。これを促進する一つの仕組みが「コラーニング会議」です。

−コラーニング会議とは何なのでしょうか?

コラーニングで学んだことから「会社の課題解決に繋げられること」を持ち寄って、ToDoを決める会議のことです。そうすることで学習と実践がうまく絡み合って行くんですよ。

サービス提供開始当初、「学習してみたけど、なかなか実践に繋がるチャンスがない」という声を多くいただいて悩みました。網羅的に学ぶからこそ、すべての知識をすぐに自分の目の前の業務に使えるというわけではありません。
そこで、「事業全体として実践に繋げられるか」という観点でアウトプットができる会議という場を準備しています。

皆で共通言語を持った上で、ToDoにして実践に移していく。
実際に手を動かす担当でなかったとしても、スキル定着には非常に価値の高いプロセスになるはずです。

まずはシンクロがファシリテーターとして会議を開くことが多いですね。例えばコース1ヶ月目で学んだ「チーム構築」に議論のテーマを絞って、会社の課題や打ち手を出し合ってもらいます。

−組織課題の打ち手までつなげる仕組みをつくっているんですね。アプリで工夫されている点はありますか?

一つが「ToDoメモ」ですね。講義のチャットメッセージをクリップ(※ブックマーク登録機能のようなもの)すると「ToDoメモ」が表示されるんです。「このクリップは、どんなことに使いたいですか?」と質問が表示されて、会社の課題解決につながる行動を考えるきっかけを常に提供しています。

これらのような仕組みだけでなく、「個人の成長」によっても「業績の成長」は促されますし、「組織の成長」によっても「業績の成長」は実現します。つまり、個人、組織、業績の相乗作用する関係にあるんです。

個人からチーム、そして社会に影響の輪を広げる

コラーニングを利用してもらうことで、ユーザーそれぞれの人生にもいい影響を与えたいと思っています。僕らはマーケティングの全体像を理解することで、視点が広がり想像力が養われると思っているんですよ。イソップ物語の『3人のレンガ職人』が、まさにそうで。

−なるほど。その物語って、ある旅人が道でレンガを積んでいる3人の職人に「何をやっているのか」と聞く話ですよね。

そうです。やっている仕事は同じですけれど、目線によってモチベーションやパフォーマンスは大きく変わる。という寓意を持ったお話ですね。仕事でもそれは同じで、全体像を把握することによって視座は高くなり、それがいい結果につながると思うんです。

−視座が高くなる以外にも、全体像を把握することによってどんな影響があると考えていますか?

ビジネスに関わるあらゆる人、たとえば同僚、クライアント、ユーザーの気持ちがわかるようになると思います。ある店舗のショップ店員がマーケティング全体の仕組みを知っていたら、自然と接客の言葉遣いも変わるだろうし、例えば「毎シーズン、このコートは売行きが良くないので、このような展示の仕方がいいのでは」って意見を適切な部門に伝えられるようになるかもしれない。

−個人の考え方や行動が大きく変わる可能性を秘めているんですね。

考え方や行動をより良い方向へと支援できたら嬉しいですね。

−そのような影響が日本中に広まったら本当に素敵だと思います。最後の質問になりますが、コラーニングの展望について教えてください。

「個人学習」を目的として出発した旅が、いまは「企業の成長」にまで到達しました。そしてゆくゆくは、日本社会全体の活性化にも影響の輪を広げたいと考えています。

シンクロは、「マーケティングでかっこいい世界を作りたい」という理念を掲げています。「かっこいい」の定義は各企業や人によって異なる。僕らはその多様性を尊重したいんですよ。そして、ユーザーそれぞれのかっこいい世界の実現を後押しするのが、コラーニングだと信じています。

       

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